世界中を旅した都市伝説マニアの私が紹介する今回の話は、アメリカのある山間部にある町でまことしやかに伝えられている話です。
「振り返るな!」とは一体何のことなのか、振り返ったらどうなるのか。
ちょっと怖い話になっています。
「ハングマン」オーウェンの脱走と事故
その日、ニコルとマークは、コスプレパーティに参加するため車で向かっていたところ、臨時ニュースを聞きました。
殺人事件で有罪となり刑務所に収監されていた「ハングマン(絞首刑執行人)」との異名をもつオーウェン(仮)が脱走した、と。
そのため、周辺の緊急警戒の警報が出されることになりました。
その脱走した刑務所は崖を挟んだ向かい側にあるため、ニュースを車中で聞いたニコルは怖くなり、家へ引き返すことにしました。
しかし、その帰途の中、大きな石に乗り上げ、車は故障し身動きが取れなくなってしまいました。
誰かが来た
マークは助けを求めるため車外に出て山道を行き、助けを呼びに行くことを提案しました。
しかし、一人になることにニコルは怯えていたため、マークは自分が戻ってきたら屋根をトン、トン、トンと3回屋根を叩くのを合図にして、それ以外の場合は絶対にドアを開けないとの約束を2人はしました。
ニコルは最後まで一人になりたくないとマークに懇願しましたが、いつ来るかわからない車が通るのを待つことはできないと説得して救助を呼びに車の外へと行ってしまいました。
車に残ったニコルは後部座席に移動し、毛布をかぶり、身を潜ませていました。
数十分経った頃だろうか、ふとノックの音が聞こえてきました。
トン…
それに気付いたニコルは心の中で「お願い!あと2回叩いて!」と叫んでいました。
トン…
「あと1回叩いて!」
トン…
「3回目!マークだ!」
トン…
「え?誰?」
トン…
「ハングマンだ!殺される!私が中にいることに気づいてるんだ!」
トン…、トン…、トン…
その時ラジオがかかっていましたが、恐怖のためニコルの耳には入っていませんでした。
その後しばらくして怯えながらもかぶった毛布の隙間から窓の外をニコルは見ると、彼女を見ている男二人がいることに気づきました。
救助に来た警察官
そしてそのうちの一人が警官であることがわかり、すぐ近くには赤色灯を付けたパトカーもあり、彼女は安どしました。
警官は、「大丈夫ですよ、出れますか?」と言い
ニコルは、ロックを外しヨロヨロとよろけながら車の外へ出て行き、「マークはどこ?一緒じゃないんですか?」と尋ねました。
すると警官は、「いったんパトカーの所へ行きましょう。振り返ったらいけませんよ」と言いました。
「どうして振り返ったらいけないんですか?」と彼女は尋ねました。
すると警官は。「さあ来て!パトカーパトカー」と答えました。
答えになっていない答えを聞き、判然としないながらも、警官たちの後を歩いていたニコルは何気なく振り返ってしまいました。
その視線の先でニコルが見たものは、少し後ろの木の枝からぶら下がり、ブラブラと揺れている黒いものがあるました。
振り返ると…
それをなんだろうと思い、ニコルは暗がりに目が慣れるのを待ちじっと見ていると
トン…、トン…、トン…
警官たち二人は前を歩いているのに乗っていた車の方から、車中で聞いた音がしています。
暗がりに徐々に目が慣れてくると、木からぶら下がっている「もの」が見慣れた服や靴をまとっていることに気づきました。
トン…、トン…、トン…
それはマークだったんです。
トン…、トン…、トン…
風に揺られたマークの靴が車に当たり、トン…、トン…、トン…と車の屋根を叩いていたんです。
マークを見つけ固まっていた彼女の背後、そーっと彼女に手を伸ばす二人の影が伸びていました…。
その後、ニコルは消息不明になり、現在も発見されていないといいます。
彼女が車中で緊張のあまり聞き逃したラジオ。
実はパトカーに乗った警官が2人に襲われ、警官が殺され制服を奪われたことを速報で繰り返し伝えていたものだったんです。
私が聞いた話はここまで。
世界の意味が分かると怖い話!振り返るな!まとめ
彼女はどうすべきだったのか、何が正解だったのでしょうか?
もし、マークと一緒に助けを求めて行っていたら…。
もし、マークの言うとおりに屋根が3回叩かれるまで身動きをせずに車中に隠れ続けていたら…。
もし、車中のラジオに気づき、その警官が偽物可能性があると把握していたら…。
もし、「振り返るな」という犯人の言いつけを守っていたら…。
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